クリニック

新人ナースの転職ストーリー(転職後編)

前回は大学病院を転職するまでの流れを書きましたが、
今回は転職してからのお話です。

退職してすぐにクリニックへの勤務が始まった佐藤でしたが
最初はどれも驚くことばかりでした…

わかっている”つもり”でした。

母親がクリニックに勤めていたため、ある程度はどんなものかわかっていたつもりでしたが
それでも大学病院とは全く違う環境で、クリニックの中でも規模はかなり小さい方だったこともあり
思っていた以上に驚くことが多かったです。

勤務初日は、緊張しながらもスタッフと無難に挨拶をすませました。

初日は業務の流れを見学しつつ、採血や健診などの手伝いをする…といった感じでした。

しかし、いざ採血しようとすると
採血する場所に手袋がない。

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大学病院では手袋なしの採血なんて絶対ダメでしたが、私の勤めるクリニックでは採血時に使うことはないとのこと。

そして唯一内視鏡の時に使う手袋も、全くフィットしない薄くてシャカシャカしたビニール手袋。

最初は「これでやるの!?」と唖然としたのを覚えています…

しかし小さなクリニックはコスト面の管理が厳しいところも多く、採血で手袋は使わない、というところも多いそうです。
ただ患者さんには肝炎キャリアの人が少なくないということもあり、慣れないうちはかなり怯えていました…

そして私は学生時代~大学病院に勤めている間まで翼状針しか使ったことがなかったため
「採血は基本的に直針」というのにも衝撃を受けました。

翼状針よりコストの安い直針。しかし不器用な佐藤はこれにも慣れずに苦戦しました…

改めて、大学病院の時は物品にも恵まれていたんだと実感した部分でした。

ギャップは看護業務のみならず…

クリニックでは看護業務以外でもギャップがたくさん。

大学病院時代は毎日掃除業者が入って綺麗にしてくれていて
ナース服も毎日クリーニングに出せて、綺麗に畳んで返ってきていたけれど
私の勤めるクリニックでは毎日自分たちが掃除やシーツの洗濯をし、ナース服も自宅で洗います。

床やトイレをピカピカにしてくれていた業者さんはいないし
白くてピンと張ったナース服は自分の管理で維持する必要がありました。

…こちらも、大学病院がどれだけ至れり尽くせりだったかを感じる部分です。

何より辛かった収入減少

一番のギャップは、やはりお給料。

夜勤をして、寮に住んでいた私。
光熱費もタダで、毎月実家に3万送り、8万円の貯金をしても、まだまだ買い物ができていた記憶があります。

しかし大学病院を退職した後は夜勤がない上に、社会人2年目ということで税金もかかってきて手取りは激減・・・

今まで支払わなくてもよかった家賃や駐車場代を支払う必要があり、
1円も貯金できないどころか 毎月貯金を崩していました。

思ったより安い?地方在住、佐藤のお給料公開。看護師って、お給料いいよね!って思われがち。 一般的にお給料が高いと言われている看護職ですが、実際のところどうなのでしょうか? ...

しばらくは貯金もあるし、それでなんとか生活しようと決めたものの
貯金を崩していくことにも抵抗があるし、何より欲しいものが買えない生活が苦しかったので、夜はバイトをしていました。

仕事が終わったら、急いでバイトへ。

当時は若かったからこそできた生活でした…(今は到底ムリです)

そこまでして大学病院を辞める必要があったのか?と思われるかもしれませんが
私はそれでもクリニックで働いている方が幸せだと感じていました。

患者が許可なく歩行しようとすればヒヤリハットを書き、
転倒すればインシデントを書き
夜勤中、不穏の患者にナースコールを何度も押され
そんな中調剤された薬の識別コードをひとつひとつチェックし、間違っていないか確認する。

そんな毎日から解放されたことで、少しずつ気持ちが楽になっていったのです。

だからと言って、何事もいいことばかりではないのが世の常。
クリニックならではの”つらいこと”が 私を待ち受けていました。

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定期的にやってくる患者さん

クリニックに来る患者さんの大半が
慢性疾患で定期的に受信する人でした。

だいたいの方が1ヵ月に1度受診し、検査をしたり薬を処方してもらうという感じです。

そのためとても個性的だったり、癖の強い患者さんがいると
毎月大変な思いをさせられることも…

私は一度、採血しようと腕を見た段階で自分には難しいと判断した患者さんがいました。

その方は1回で成功しないととても激しく怒る方だったので、
念のため先輩や院長にも確認してもらったのですが
その患者さんは”私が採血せずに逃げた”と言って激怒。

私としては針を刺す回数を最小限にしたいという思いからとった行動だったのですが
患者さんはその行動すら気に食わなかったようでした。

その後はクリニックに来院するたびに私のことを

給料泥棒
看護師失格
辞めてしまえ

と罵るようになり
その患者さんを怒らせないように、私はなるべく顔を合わせないようにするのが精いっぱいでした。
毎月、その患者さんが来院する頃になると本当にビクビクしていました。

この患者さんは最終的に病状の悪化により専門性の高い診察が必要だということになり、
他院へ通院することになりました。
正直ホッとしましたね…

こんな方は非常に稀なんですが、
それでも0ではないというのが現実です。
診察室で院長に激怒して受付で暴れたり
思い通りの対応じゃないと周囲に聞こえるように大声で怒鳴ったり
どこに行っても癖のある患者さんは一定数存在します…

そしてそれが定期的にあると思うと
入院患者のように毎日見るわけではないとわかっていても
この先何年も、何十年も通い続ける可能性は十分にあり
一体いつまでこれが続くんだろう…という気持ちになります。

そして患者さんからしてみれば
一度嫌だと思った看護師には二度とあたりたくないだろうし
受診する度に必ずしもコミュニケーションをとれるような状況にはないため
その方の中で一度ついてしまったイメージを変えるのはなかなか難しいです。

クリニックで働いて辛いと感じたのはこういう点でしたね…
このようなことは6年半働いてたった2名でしたが、それが毎月だったことから精神的に苦痛を感じました。

転職は成功だったのか?

私は 転職して良かった、と思っています。

結果的にそのクリニックも退職しているのですが、
そこで出会ったスタッフの方には本当によくしていただいて、退職後も連絡をとっています。

患者さんも娘や孫のようにかわいがってくれる方が多く、
だんだんと覚えてくれる方が増えていくことはとても嬉しかったです。

何よりそこで内視鏡に出会い、その知識を深められたという点
この転職には意味があったと思っています。
この先この資格を活かせる職場で働くことができれば、と思っていますが
それに縛られず幅広い分野を経験したいという気持ちもあります。

今の私があるのは、あの時転職を決意したからだと思っています。
自分の選択に自信をもって この先の看護師ライフを過ごしていきたいと思います!

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