このブログを書いている私、佐藤は新人時代に転職を経験しています。
どうしても辛くて、私には続けられないと思った大学病院。
しかし無事辞めることが決まったものの、人生初の転職で右も左もわからず
バタバタとした中でいろいろなことを決断しなければいけなかったので
もっとああすればよかった、と思うこともいろいろあります。
こちらにその時の話をまとめていこうと思いますので、
これから転職を考えている看護師さんがいたら
私のようにならないように、ゆとりを持って動き出してくださいね…!笑
新人ナースが病院を辞めた理由
私が看護学校を卒業してすぐに就職したのは地元の大学病院でした。
大きな病院は新人教育もしっかりしているし、そこでたくさんのことを学ぶことができたら…という思いから就職しました。
そしてそこでは運よく、希望した急性期病棟に配属され
とっても仕事ができるキレッキレのプリセプターが私を指導してくれました。
職場自体は嫌いではありませんでした。
他の病棟に比べて残業時間も2~3時間程度と短く、幸いにも記録は苦手ではなかったため、業務が終わっても記録が終わらずに帰ることができない…ということもありませんでした。
そして仲良くしてくれる同期や先輩もいて、どちらかと言えば恵まれている方でした。
そのため”これが原因で”という大きな出来事があったわけではありません。
ただ、重症患者が毎日入院し、そして亡くなっていく病棟。
責任の大きな仕事。
焦ってやりたくはないのに、時間がない。
そんな中でミスをすることへの恐怖が大きくなり
緊張して夜勤前は眠れず、結局そのまま夜勤へ…

最初はそれでもなんとか働いていましたが、多い時は月に6回ある夜勤。
急性期であり、不穏な患者も多く、ナースコールが鳴り響く休憩時間。
仮眠もできず、結局夜勤が終わるのは次の日の昼過ぎになることも・・・
不規則な勤務でだんだん体調が優れなくなり、不安と緊張で眠剤を飲まないと眠れないようになっていきました。
…本当に少しずつ少しずつですが
「辞めたい」という気持ちが膨らんでいきました。
そして実家に戻り、看護師である母親に泣きながら相談しました。
背中を押してもらえると思っていた
一番の理解者であり、当然親身になってくれると思っていた存在の母親。
・・・しかし母は、私に慰めの言葉も、励ましの言葉も言いませんでした。
私の話に相槌も打たず 最後まで無言でした。
その時、私はとてもショックを受けたことを今でも覚えています。
“どうして何も言ってくれないの?なんて冷たい親なんだろう…”と思いました。
…しかし、そのおかげで気付いたことがありました。
「周りは背中を押してくれない。周りの意見をきいて”じゃあそうしよう”ではなくて
全て自分で決めなくちゃいけないんだ。
辞めたいのなら辞めればいい。
誰かに助けてもらおうとしちゃダメだ。」
そう思った私は、大学病院を辞めることを決意しました。
しかし辞める前にやらなくてはいけないことはたくさんあります。
生活のためにも、まずは次の仕事を見つけてから辞めなくてはいけない。
そして私が住んでいたのは大学病院の寮だったため、辞めた後に住む部屋も探す必要がありました。(この時から既に”実家に戻る”という選択肢はなかったので…)
辞めようと心に決めたのは2月のこと。
そこから猛スピードで退職にむけて動き出しました。
転職の理想と現実
辞めると決めてからは、転職に向けてやらなければいけないことが多すぎて、
時が過ぎていくのがとっても早かったです。
退職すると病院の寮を出ていく必要があるため、早々に次に住むアパートを決め、それから転職活動をしました。(普通は順番が逆かもしれません。笑)
まずは仕事を探すためにハローワークに登録し、
そして病院の情報を得るために、看護師転職サイトにも同時に登録しました。

私は外来(日勤)希望という条件だけだったのですが、
やはり経験がないため、どうしても病棟での勤務を勧められました。
病院に見学に行った時も、スタッフの方に「若いんだから夜勤をしてほしい」と言われたりしました。
そして自分が気になっていたクリニックは「臨床経験5年以上」という条件を掲げていたりして、やはり転職ってそんなに簡単にはいかないな…と感じたのを覚えています。
そして最終的に、ハローワークで今のクリニックを見つけることとなります。
クリニックへ面接に
私が気になったクリニックは3つ。
1つは脳外科、あとの2つは内科でした。
そしてその中から今働いているクリニックを選んだ理由は
- 家から近い
- ボーナスが他院より良かった
- 時間外の訪問診療介助(看護)がない
という点でした。
正直基本給は高くありませんでしたが、キャリアがない分その点はあまり気にしていませんでした。
そして長期勤続によるキャリア形成のため若年者を対象、と書かれていて
私のような経験のない看護師でももしかしたら検討してもらえるのでは?と思った部分も大きかったですね。
希望の転職先が決まれば、ハローワークの紹介をうけていざ面接へ!!
診察終了後の病院で面接をするのかな?と思っていたら
面接会場は病院ではなく、まさかの院長の自宅。
面接では、
- 学生時代頑張ったこと
- アルバイトで学んだこと
- 大学病院で配属された科で学んだこと
- どういう看護師になりたいか
- クリニックのイメージはどのようなものか
など、とにかくいろいろ聞かれました。
大学病院に入る時は本当に簡単な面接のみだったので、それまで就活らしいことをしたことがなかった私はとにかくひどい受け答えだったと思います…。
意味はないかもしれませんが、せめて笑顔だけは絶やさないようにしようと必死でした。←
そしてその一週間後に「採用とさせていただきます」と院長夫人から電話がありました。
「たくさんの応募があったので時間がかかってしまいました」と言っていたので、
その中から私を選んでくれたの!?と勝手に想像してとても喜びました。笑

退職の相談をするも、撃沈
転職先が決まってから、すぐに辞めさせてくれ!と言ったわけではなく…
実は転職をしようと決めた時点で、勤務先には退職の意思を示し相談していました。
時間に追われた業務の中でミスできない恐怖というか…すべてが精神的にとても負担に感じるんです
…終 了。

私の働く科は、サバサバした性格が魅力の若い看護師長さんでした。
いや、本当にとってもサバサバとしすぎているというか…
私の相談は軽く受け流されて終わりました。←
しかし全く大丈夫ではない当の本人。
ストレスから当時付き合っていた彼に当たり散らして関係が悪化し
夜勤中に自律神経が乱れて倒れてしまったり…
そんな出来事自体が、自分に”もうこんな風に周りに迷惑をかけてはいけない”とプレッシャーをかけるようになりました。
もう私の心は「転職する」と心は決まっていたので再度師長にアタックしましたが、結果は同じでした。
「みんなそんなものだ」
「石の上にも3年」
「昔はもっと厳しかった。今の子はまだ恵まれている」
「同期も頑張っているんだから」
「そんなんじゃどこへ行っても同じだ」
師長にはいろいろなことを言われましたが、そのどんな言葉も その時の私の心には響きませんでした。
強行突破を決めた夜勤明け
そしてある夜勤の前の日、私は自分で退職願を書き
それをカバンに入れて出勤しました。
お守りのように退職願を入れてきた日の夜勤は、なんだか気持ちが軽かったのを覚えています。
その夜勤を終えた昼、看護部へ退職願を直接提出しに行きました。
看護部の事務さんに「これを、看護部長さんへお願いします」と言って退職願を渡し、やや足早に看護部の部屋を後にすると…
「待って!!佐藤さん!!!」
さっきの事務さんが走って追いかけてきました。
「話があるから、ちょっと戻って来て?」
事務さんに連れられて再び看護部の部屋の中に入ると、そこには看護部長さんが。
実は私の通っていた看護学校の先生と看護部長さんの仲が良かったため
病棟で会うとたまに声をかけてくれていました。
「どうしたの? 頑張って働いていると思って見ていたけど…」
私は看護部長に今までの事を全て話しました。
そして私の話を聞いた後、看護部長は
「気持ちはもう決まっているのなら、他の病院を見てみるのもいいかもしれない。
いつかまた働きたくなったら、ここに戻ってきてね。」
と言って、私が辞めることを了承してくれました。

その日提出した退職願には、病院の規定通り14日後の日付で退職することを書きました。(本当はもっと早く言うべきだったと思いますが…)
提出した日がちょうど今の病院の面接を受ける少し前だったと思います。
その後、職場指定の紙に退職願を書きなおして提出、となりました。
そして今の病院の面接時に
「○月○日に退職するので、それ以降ならすぐに働くことができます」ということを伝えました。
新人の退職に、周囲の反応は・・・
そして自分の働く病棟では、朝礼で師長から私が辞めるという話がありました。
毎年70人以上の新人看護師が入社し
そしてたくさんの人が辞めていく大きな病院。
1年目で、根性もなく辞めていく新人なんて別に珍しい話ではない。
その場にいた先輩たちにとっては聞き慣れた内容だったと思います。
表情ひとつ変えずに黙って聞いていました。
たった数十秒ですが、私にとってはとても気まずい時間でした。
…迎えた最後の日勤の日。病棟にお礼のお菓子を買って、仲良くしてくれていた先輩には個別にお礼を用意しました。
その先輩に
「先輩に渡したいものがあるんですけど…」と伝えると
「あたしもあんたに渡したいものがあるから!」
と言われ、プレゼントと手紙をもらいました。
(この先輩には辞めることを以前から伝えていました)
その手紙にはこんなことが書いてありました。
思ったより仕事ができて
思ったより腹黒くて
思ったよりいい人で
もっとあんたと働きたかったよ。
町医者は佐藤さんに合ってると思うから、頑張ってね。
P.S. チーム佐藤は私が守っていくからね!
(↑ベテランナース2人と私の3人でいつの間にか結成されたチームらしい…笑)
こんなに短い期間しか働いていないのに、そんな風に思ってもらえたこと、
そしてこうして手紙にしてくれたこと。
とにかく嬉しくて、その手紙は看護学生時代に患者さんからもらった手紙と一緒に、看護師免許の入れてある額に入れてあります。
学生時代にもらった手紙についてはこちら↓

私は人生の節目となるポイントで手紙をもらうことがあったのですが、それがその後の自分を支えてくれるお守りのような存在になっています。
手書きの文字には温かみがあって、より一層相手の思いが伝わってくるような、そんな感じがしますね。
・・・さて、こうして無事大学病院を退職した私。
少しお休みをもらって遊んだりしている金銭的余裕はないため、退職してすぐに現在のクリニックで勤務することになったのですが
勤務して早々、大学病院(病棟)と小さな町の診療所の差にとっても戸惑うことになったのです…
次の記事に続きます!